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お店で歯磨き粉を購入するとき、たくさんの種類の中からどんな基準で選びますか?あまり深く考えず、「味」や「口当たり」の好みで選ぶ方も多いのでは?
なぜ歯磨き粉を使うのかということを知っていただくために、歯磨き粉の役割や必要性、成分などを解説します。自身に合った歯磨き粉の選びかたやポイント、使用方法などの参考にされてくださいね。
歯磨き粉の役割と必要性を教えて!
そもそもなぜ歯磨き粉を使うのかわからないまま使っていませんか?中には「歯磨き粉が汚れを落とす」と思っている方もいるのではないでしょうか?歯磨き粉の役割を知り、より必要な歯磨き粉を選びましょう。
歯磨き粉の役割は?
実は、歯磨き粉自体には歯垢や歯石を落とす効果は無くあくまでも補助具。汚れは歯ブラシの毛先で落とします。歯磨き粉の役割は、含まれている成分によって虫歯や歯周病の予防を助けたり、磨く際の補助や磨いた後の爽快感などのためのものなのです。
一般的にペースト状の練り歯磨き粉が多く、最近では液体タイプのものなどもよく目にするようになってきました。
では、使わなくてもいいの?
「歯垢を落とす」ということに特化して考えれば、歯ブラシだけで十分ですし、無理に使う必要はありません。特にお子様は、歯磨き粉が泡立ってしっかり磨けないままに歯磨きを終わらせてしまい、磨き残しの原因になることもありますので、無理に使う必要はないでしょう。
とはいえ、配合されている成分によっては歯垢の除去効果をアップさせる効果があったり、歯質の強化につながる成分が配合されているものもありますので、大人にとっては効果的なものもたくさんあります。また、歯周病や知覚過敏用の方や着色が気になる方に合った成分が配合された歯磨き粉などもあり、使い方によっては効果のあるものもあります。
自身のお口の状態や歯磨きによって得られる効果によって選んで使うとよいでしょう。
種類や成分とその効果を知りましょう!
次に、具体的にどんな成分が配合されていて、どんな効果があるのかご紹介します。成分は歯磨き粉のパッケージに記載されていますので、購入の参考にしてみてくださいね。
使うと得られる「効果」とは?
配合されている薬用成分を効果的に利用すれば、歯磨き粉を使用することでお口の中にさまざまな効果が期待できます。
歯磨き粉で期待できる効果
- 虫歯の発生や進行を予防
- 歯の質を強化や初期虫歯の修復
- 歯周病予防
- 歯の着色予防や除去の補助
- 口中の浄化作用による爽快感
- ネバ付きの軽減や口臭予防
- お口を潤し口渇感の予防
どの歯磨き粉でもすべてを網羅することはできないので、配合される薬用成分の効果によって使い分けるとよいでしょう。
歯磨き粉は成分によって2つに分けられています
歯磨き粉は日本薬事法により、配合されている成分の違いで「医薬部外品」と「化粧品」と表記が異なります。歯磨き粉の成分には「基本成分」と「薬用成分」があり、基本成分のみのものは化粧品。そして、基本成分にプラスして薬用成分が配合されたものを医薬部外品と表記されます。
歯磨き粉に含まれる成分別効果
成分別に細かく、どんな効果があるのかご紹介します。パッケージの裏に羅列されている解りにくい成分ですが、知っておくと購入の時に役立ちますよ。
基本成分
清掃剤 (研磨剤ともいいます) |
成分:炭酸水素ナトリウム、リン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、無水ケイ酸(シリカ)など 効果:歯の表面に沈着した歯垢(プラーク)や着色汚れ(ステイン)の除去 |
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発泡剤 | 成分:ラウリル硫酸ナトリウムなど 効果:歯磨き粉を泡立てることで口腔内に拡散させ汚れを除去 |
湿潤剤 | 成分:ソルビトール、グリセリンなど 効果:歯磨き粉に水分を与え、口内での操作性を向上させる |
粘結剤 | 成分:アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロスナトリウム、カラギーナなど 効果:歯磨き粉に適度な粘性を与えて操作性をよくする効果 |
香味剤 | 成分:ミント、メントール、サッカリンナトリウムなど 効果:歯磨き剤に味や香りを付けることにより歯磨き後の爽快感を与える |
保存料 | 成分:安息香酸ナトリウムなど 効果:歯磨き剤の変質を防ぐためのもの |
薬効成分
フッ素 | 有効成分:フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウムなど 効果:歯質を強化し虫歯の予防や、初期虫歯の再石灰化による歯質の修復 |
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ミネラル | 有効成分:リン酸カルシウム、マグネシウム、リカルデントなど 効果:歯の再石灰化に必要なミネラルを補うことで虫歯予防をおこなう |
塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジニウム(CPC)、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)など | 効果:殺菌効果のある成分で歯周病の予防や改善を図る |
ポリリン酸ナトリウム、硝酸カリウムや乳酸アルミニウム、ハイドロキシアパタイトなど | 効果:知覚過敏症になった歯面を一時的に保護してしみるのを防ぐ |
塩化ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、塩化クロルヘキシジン、トラネキサム酸、ビタミンEなど | 効果:歯垢を分解して歯面から浮かせて落としやすくする |
デキストラナーゼなど | 歯垢が歯石化して歯面に沈着するのを予防する |
ポリエチレングリコールなど | 歯面に沈着して歯磨きでは落せなくなったタバコのヤニに作用して分解・除去 |
ここでご紹介したものは、一般的に市販されている歯磨き粉によく使われている成分が主です。他にも天然由来成分を配合した歯磨き粉などもオーガニック専門店などで取り扱われていることもあります。ご自身の用途に合わせて選びましょう。
効果的な歯磨き粉の使用方法
せっかく良い歯磨き粉を使っていても、誤った使用方法ではせっかくの効果を活かすことができません。正しい歯磨き粉の使い方も是非知っておいてくださいね。
歯磨き粉の量はどれくらいがいいの?
歯磨き粉は多すぎると逆に歯磨きを妨げてしまうこともあります。よくCM等で毛先いっぱいに載せた画像をイメージしがちですが、本当に必要な量はほんの少しの「米粒大」でよいのです。
使用目的が複数ある場合はどれを選んだらいい?
虫歯予防もしたいけれど、歯周病も気になる…といったように、複数作用させたいと思ったら、1日3回の歯磨きで朝と夜に使うものを分けて使ってみたり、歯磨きと併用して薬用成分配合のデンタルリンスを使ったりするのも効果的です。
研磨剤配合のものは歯磨き圧に注意!
ヤニや着色を除去する効果を謳っている歯磨き粉には研磨剤が多く入っているものもあります。強くこすると歯面を傷つけてしまうこともあります。また、研磨剤が歯と歯の間や歯茎の中に残ってしまうこともありますので、しっかりうがいするようにしてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?ふだん何気に使っている歯磨き粉ですが、実は汚れを落とす効果というよりもお口のお悩みに合わせた成分で選ぶことがポイントなんですね。ちなみに私は、朝と夜に使う歯磨き粉を使い分け、夜はマウスウォッシュも併用しています。朝起きた時のネバつき予防にもなりオススメですよ。
みなさんもどんな効果を期待するかに合わせて歯磨き粉を選んでみてくださいね。

ハーツデンタルクリニック西白井駅前の院長。城西歯科大学(現 明海大学)卒業。仕事でうれしい時は思うような治療ができ、患者様に喜ばれ、お礼を言われたとき。
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