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歯石は歯周病の原因となる有害な物質です。歯茎に炎症を引き起こし、進行すると顎の骨まで溶かしてしまいます。そんな厄介な歯石だからこそ、できるだけ沈着しないよう努めたいものですよね。ここでは歯石の沈着を予防する方法について詳しく解説します。
歯石ができるまで
まず始めに、歯石が形成されるプロセスについて理解しておきましょう。歯石の付着を予防する上で、重要なポイントとなります。
歯垢が歯石になる
歯石はある日突然、発生するものではありません。歯の表面に付着した歯垢が石化し、硬くなることで生じるのが歯石です。歯の石という名前がついているだけあって、実際、石のように硬くなるのが特徴です。
歯垢が石灰化するまでにかかる時間
歯面に付着した歯垢が石灰化するまでには、ある程度の時間がかかります。具体的には、2~14日の間に石灰化が開始、8~15日程度経過した後、石灰化が完了します。これだけ日数に幅があるのは、歯垢の石灰化には個人差があるからです。
本来石灰化は歯に対して起こるもの
通常、石灰化というのは歯質に対して起こっています。歯の表面のエナメル質は、飲食物に含まれる酸や虫歯菌が産生する酸などによって、脱灰(歯質が溶けること)が生じており、それを補償するために、石灰化という現象が起こっているのです。
もしも、石灰化という現象が起こらなければ、歯質はどんどん溶けていってしまいますので、必要不可欠な生理現象ということができます。
唾液中のリン酸やカルシウムが石灰化を担う
私たちの唾液中には、リン酸やカルシウムといった無機成分が豊富に含まれています。これらはいわば歯の修復材料で、歯質の石灰化を担っている物質たちです。
つまり、唾液の分泌が豊富な人というのは、傷ついた歯が修理されやすい環境にあるため、虫歯になりにくいということもできるのです。
歯垢の石灰化現象は防げない?
口腔内で起こる石灰化は、健全な歯質を保つ上で不可欠な現象ですので、それを抑制することは難しいです。例えば、石灰化を担う唾液の分泌を低下させたとしましょう。
すると、口腔内にはリン酸やカルシウムといった材料が不足しますので、歯垢の石灰化を抑制することができます。けれども、それは同時に歯質を再生する阻害することにもつながりますので、決して良いこととはいえません。
また、唾液には抗菌作用や殺菌作用など、歯質の修復意外にも沢山の機能があるため、正常に分泌している状態が非常に重要といえるのです。
歯石の形成を予防する方法
歯石の元である歯垢の沈着を抑える
上述した通り、歯石は歯垢が石灰化することで生じる物質です。石灰化現象は、口腔環境を健全に保つ上で必要不可欠なものであるため、そのプロセスを止めることはできません。
とはいえ、歯垢の沈着を抑えることは可能です。歯垢は、口腔内にとって有害でしかないため、除去することに何らデメリットはありません。また、歯垢さえ存在していなければ、歯石が発生することはないため、歯周病にかかるリスクも激減します。
1日に1回は歯の大掃除をする
虫歯がなく、口腔衛生状態が極めて良い人でも、食事をした後しばらくすれば、歯垢は形成されます。これは生命活動を営んでいる以上、仕方のないことといえます。
ですから、常に歯垢であるプラークをゼロにしなければならないとは考えなくて良いです。そこまで根詰めて歯磨きをしてしまうと、かえって歯や歯周組織に害を与えることがあるからです。
具体的には、過剰なブラッシング圧によって歯の表面が傷ついたり、歯ブラシの機械的刺激によって歯肉が腫れてしまったりすることもありますので注意が必要です。
ですから、毎回の歯磨きではなく、1日に1回は歯の大掃除をするようにしましょう。たっぷりと時間をかけて、歯列全体に磨き残しがない状態を作ります。これを専門的にはプラークフリーな状態と呼んでいます。
歯石が形成されやすい部位を把握する
歯石の形成を効率的に予防する方法としては、予め歯石形成が起こりやすい部位を把握しておくことがポイントとなります。普段から歯石が付きやすい人は、鏡を見ながらその部位を確認してみてください。
歯石というのはランダムにつくものではなく、部位特異性が必ずあります。ヒントとなるのは、唾液腺が存在する部位です。
唾液腺の開口部は歯石形成が起こりやすい!
歯石の好発部位として、全員に共通しているのが唾液腺の開口部です。私たちの口腔内には、3大唾液腺と呼ばれる3つの唾液腺が存在し、安静時にも唾液を分泌しています。
これらの唾液腺の開口部(唾液が分泌されている場所)である、下の前歯の裏側と上の奥歯のほっぺた側では歯石形成が起こりやすいです。特に下の前歯の裏側はご自身でも鏡で確認しやすいので、一度点検してみましょう。
ちなみに、唾液腺の付近で歯石形成が起こりやすい理由については、皆さんはもうお分かりですね。唾液には石灰化を促す物質が豊富に含まれているため、開口部付近にある歯垢からまず先に歯石へと置き換えられていくのです。
つまり、唾液腺に近い歯の歯垢から優先して除去することで、歯石の形成を効率的に予防することは可能といえます。
歯石沈着を予防すべき理由とは?
歯石は、一度形成されると歯ブラシで除去することができなくなります。これは歯垢とは大きく異なりますよね。しかも歯周病の原因となる病原性を持っているので、歯の表面にとどめておくことは非常にリスキーです。
それだけに、歯石の沈着はできる限り予防すべきといえるのです。ちなみに、歯石が形成されてしまったら、速やかに歯科医院で除去してもらいましょう。
歯科医師や歯科衛生士であれば、スケーラーと呼ばれる専用の器具を使用して、安心安全に歯石を取り除いてくれますよ。
まとめ
ここまで、歯石が形成されるメカニズムや歯石が沈着しやすい部位などについて詳しく解説してきましたが、最良の予防方法としては、やはり歯垢を蓄積させないという1点に尽きるかと思います。
歯石の大元である歯垢が歯面に存在していなければ、歯石の形成は起こりません。これが歯石をつきにくくさせるコツであり、ひいては虫歯や歯周病を予防する方法でもあるといえます。

ハーツデンタルクリニック西白井駅前の院長。城西歯科大学(現 明海大学)卒業。仕事でうれしい時は思うような治療ができ、患者様に喜ばれ、お礼を言われたとき。
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