【急患対応】お急ぎの方は048-934-9804まで!

歯の知識

CAD/CAM冠とは?保険で入れられる白い歯・メリットやデメリットも解説

CAD/CAM冠とは?保険で入れられる白い歯・メリットやデメリットも解説

昨今、注目を集めている白い歯にCAD/CAM冠(キャドキャムカン)がありますが、読み方も含め詳細についてはあまり知らない方のほうが多いようです。そこで今回は、保険で入れられる白い歯「CAD/CAM冠」の特徴やメリット・デメリット、保険が適用される条件などについても詳しく解説します。

 

CAD/CAM冠とは?

 

CAD/CAM冠とは?

 

CAD/CAM冠(キャドキャムカン)とは、保険適用で入れられる白い歯のことです。見た目が天然歯に近いので、自然で美しい仕上がりが期待できます。

 

保険で作ることができる白い被せ物

これまで銀歯しか適応できなかった部分にも白い歯が入れられるようになったことは、虫歯治療を受ける人にとって朗報といえます。

 

CAD/CAM冠の材料は?

CAD/CAM冠(キャドキャムカン)は、白い歯であることに間違いはないのですが、実は従来の白い歯とは少し異なります。なぜなら、保険適用のCAD/CAM冠(キャドキャムカン)ではいわゆる“セラミック”を使用することができないからです。

歯科材料で最も美しいのはセラミックであり、自費診療では詰め物や被せ物、ブリッジ、インプラントの上部構造など、いろいろな装置に活用されていますが、保険適用のCAD/CAM冠(キャドキャムカン)では、歯科用プラスチックであるレジンとセラミックを混ぜ合わせた「ハイブリッドセラミック」もしくは「ハイブリッドレジン」と呼ばれる材料を使用します。

 

従来のレジン歯との違いは?

同じ保険適用となるレジンとは、どこが違うのかが気になるところです。レジンも白色を呈した材料であり、CAD/CAM冠(キャドキャムカン)が普及する前から保険適用されていました。おそらく、皆さんのお口の中にもコンポジットレジンで修復された歯があることかと思います。それなら必ずしもCAD/CAM冠(キャドキャムカン)を入れる必要もないように感じますが、従来のレジン歯とはいくつかの点で異なることから、世間でも注目を集めるようになっているのです。

 

耐久性や安定性が高い

レジン歯では、コンポジットレジンを使って歯の修復を行いますが、やはりハイブリッドレジンと比較すると、性質で劣る面が目立ちます。とくに材料としての耐久性や安定性はコンポジットレジンが劣るため、ハイブリッドレジンのほうがメリットも大きいといえます。

 

歯とぴったり馴染む

CAD/CAM冠(キャドキャムカン)は、かなり特殊な方法で製作します。CAD/CAM(Computer Aided Design/Computer Aided Manufacturing)という名称からもわかるように、被せ物の設計から製作に至るまでをすべてコンピュータ上で行うのです。具体的には、歯型の情報をコンピュータに取り込み、専用のソフトで被せ物の形を設計します。

この時点でかなり精度の高い修復物が作れるのですが、CAD/CAM冠(キャドキャムカン)では、さらにそこから「ミリングマシン」と呼ばれるセラミックブロックを削り出す機械の使用によって歯との適合性を高めることが可能となっており、入れたあとにより歯とぴったり馴染みます。

 

奥歯にも使用できる

これまで保険診療で奥歯の治療をする場合は、銀歯になることがほとんどでした。奥歯はとても強い力が加わるため、比較的壊れやすい材料であるレジンでは、耐久性に難があったからです。セラミックが含まれていて耐久性が高いハイブリッドレジンなら、多くのケースで奥歯にも問題なく使用できます。

 

CAD/CAM冠のメリット

 

CAD/CAM冠のメリット

 

CAD/CAM冠(キャドキャムカン)は、従来の人工歯とは異なる面が多々あります。どのようなメリットがあるのか詳しく説明します。

 

見た目が自然で美しい

CAD/CAM冠(キャドキャムカン)で使用するハイブリッドレジンは、銀歯よりも見た目が自然で美しいです。従来のレジンと比較しても、審美面において優れているといえるでしょう。保険診療でそうしたきれいな白い歯を入れられることは、患者さんにとって極めて大きなメリットです。

 

虫歯の再発リスクを抑えられる

前述したように、CAD/CAM冠(キャドキャムカン)はコンピュータ上で設計から製作までを行う被せ物であり、銀歯よりも歯質との適合性が高いといえます。被せ物と歯質を密着させることができれば、細菌が入り込むすき間も生じないため、虫歯の再発リスクが低下します。

 

虫歯は再発するたびに歯質を大きく削らなければならないので、再発リスクを抑えられることは歯の寿命を延ばすことにもつながります。

 

金属アレルギーのリスクがない

CAD/CAM冠(キャドキャムカン)で使用するのはレジンとセラミックの混合材料であり、金属は一切含まれていません。そのためCAD/CAM冠(キャドキャムカン)による修復治療では金属アレルギーのリスクをゼロにすることが可能です。また、銀歯から溶け出した金属イオンが歯茎へと沈着する「メタルタトゥー」のリスクもゼロとなります。つまり、銀歯による歯の黒ずみも防止できるのです。

 

保険が適用されるため費用が安い

CAD/CAM冠(キャドキャムカン)は保険適用される被せ物なので、1~3割負担で製作できます。自費診療で入れるセラミック歯と比較すると、費用は10~20分の1程度となります。もちろん、保険診療の銀歯と比較した場合は、費用に大きな違いは見られません。

 

治療期間が短い

CAD/CAM冠(キャドキャムカン)は、被せ物の設計から製作までのプロセスをある意味“自動化”できる点が大きな長所です。従来法では歯科技工士が実際に手を動かして製作していたのですが、CAD/CAM冠(キャドキャムカン)ではセラミックブロックをミリングマシンで削り出すだけで作れてしまうので、治療期間も自ずと短くなります。

 

噛み合う歯を傷めにくい

銀歯はきわめて丈夫な人工歯ですが、その硬さが影響して噛み合う天然歯を傷めてしまうことが多々あります。一方、CAD/CAM冠(キャドキャムカン)に用いるハイブリッドレジンの硬さは、天然歯にとても近く、銀歯と比較して噛み合う歯の負担を減らせます。

 

CAD/CAM冠のデメリット

 

CAD/CAM冠のデメリット

 

CAD/CAM冠(キャドキャムカン)は多くのメリットがある一方で、どのようなデメリットがあるのかを解説します。

 

保険適用できないケースもある

現状、CAD/CAM冠(キャドキャムカン)は前歯から奥歯まで、すべての歯に保険適用で入れられるようになっていますが、それぞれで条件が付けられています。たとえば、噛む機能の主体となる6番目の歯(第一大臼歯)を保険のCAD/CAM冠(キャドキャムカン)で治療する場合は、上下左右ともに7番目の歯(第二大臼歯)が残っていなければなりません。

 

セラミックほど美しくはない

CAD/CAM冠(キャドキャムカン)のハイブリッドレジンはあくまでプラスチックなので、自費のセラミックほど美しくはありません。経年的な摩耗や変色も起こりやすいので、いつまでもきれいな状態を保つことは難しいでしょう。

 

歯ぎしりや食いしばりがあると割れることがある

歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖がある人がCAD/CAM冠(キャドキャムカン)を6~7番目の歯に入れるのは、あまりおすすめできません。歯ぎしりは、男性の場合60~100kg程度の力がかかるといわれており、レジンとセラミックの混合材料で作られたCAD/CAM冠(キャドキャムカン)は割れる恐れがあります。

 

銀歯と交換することは可能?

 

現在、お口の中に銀歯が入っていて、それを白い歯に変えたいからという理由だけでCAD/CAM冠(キャドキャムカン)に交換することはできません。保険診療はあくまで健康を害する要素を取り除くための医療に適用されるものであり、審美目的の治療は対象外となります。

 

ただし、銀歯になっている歯が虫歯になっていたり、銀歯による金属アレルギーを発症していたりする場合は、保険でCAD/CAM冠(キャドキャムカン)に交換できます。自費診療であれば無条件で交換可能です。

 

まとめ

 

今回は、保険で入れることができる白い歯「CAD/CAM冠(キャドキャムカン)」について解説しました。保険で白くて美しい歯が手に入る時代になったことは歓迎すべきですが、CAD/CAM冠(キャドキャムカン)も決して万能ではないという点にご注意ください。医療は必ずメリットとデメリットの両方をともないますので、治療法を選択する際にはそれぞれの特徴を正確に把握するようにしましょう。

医療法人社団ハーツデンタルクリニック 院長(歯科医師、歯学博士)監修
永橋克史
監修者 歯科医師 永橋克史
ハーツデンタルクリニック西白井駅前の院長。城西歯科大学(現 明海大学)卒業。仕事でうれしい時は思うような治療ができ、患者様に喜ばれ、お礼を言われたとき。
ハーツデンタルクリニック西白井駅前
高田耕司
監修者 歯学博士 高田耕司
日本歯科麻酔学会認定医、歯学博士。麻酔での無痛治療を得意としている。
ハーツデンタルクリニック八千代中央駅前
加瀬武士
監修者 歯学博士 加瀬武士
ハーツデンタルクリニック谷塚駅前の院長。日本大学歯学部歯学科卒業。補綴学を専門分野としている。
ハーツデンタルクリニック谷塚駅前


電話相談

関連記事