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歯並びが悪いけれども、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの歯列矯正は1~3年程度の期間を要するため、なかなか治療に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、歯科医師の立場から、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの矯正治療の本当のメリットとデメリットを解説するとともに、リスクについても詳しくご紹介いたします。
ぜひ、この記事を参考に矯正治療への理解を深めた上で、歯並びをどのような方法で治療するかを決めていただければと思います。
矯正治療のメリットは?
矯正治療には、驚くほど多くのメリットがあります。ここでは、その一部をご紹介しましょう。
歯並びが美しくなる
矯正治療を検討している多くの方が、「審美性の向上」というメリットを期待していることでしょう。矯正治療では、歯の傾きや位置の異常、上下の噛み合わせのアンバランスなどを正常化できるため、歯並びが美しく整います。
出っ歯や乱ぐい歯に劣等感を抱いている人は、矯正治療によってそのコンプレックスを解消できる可能性は十分にあります。歯を見せて笑えるようになり、これまで消極的だった性格が積極的に変化する人も珍しくありません。
口元と横顔がきれいになる
歯並びや噛み合わせは、顔貌にも大きな影響を与えていることをご存知でしょうか?横顔の美しさの指標となる「Eライン」は、前歯の歯並び・噛み合わせによって大きく左右され、歯列矯正によって良い効果がもたらされやすい部分です。
特に口元がやや出っ張っている“口ゴボ”の症状があるケースでは、前歯を後方に下げる処置を施すことでEラインが改善されます。
歯磨きがしやすくなる
現在、デコボコの歯並びである叢生(そうせい)などを抱えている方は、歯列矯正が終わったあとの歯磨きのしやすさに驚かれることでしょう。
叢生の方は、磨き残しが多くなりがちで、歯医者さんや衛生士さんに注意される機会も頻繁かと思いますが、それはあなたが怠惰であるからではありません。デコボコの歯並びをきれいに磨き上げるには、きわめて高度なテクニックが必要です。
歯科医院の定期検診をしっかり受けて、高度な口腔ケア方法を実践し、虫歯や歯周病を何とか予防することも可能ではありますが、歯列矯正で歯並びをきれいに整えてしまえば、そうした努力も不要となります。
食べ物が噛みやすくなる
矯正治療の大きな目的のひとつは、噛み合わせの改善です。そして、噛み合わせが正常化されると、そしゃく能率が上がり、いろいろな性状の食べ物を無理なく噛めるようになります。さらに、そしゃく筋の活動が活発になり、唾液分泌も促進されます。
結果、食べ物を消化しやすいかたちで飲み込めるようになり、胃腸への負担も軽減できます。上下の歯が正しい位置で噛めるように調整することは、矯正歯科治療を実施する歯科医師の義務ともいえるでしょう。
発音・呼吸がしやすくなる
歯並びの悪い状態が、発音や呼吸に悪影響を与えている場合があります。昔から滑舌が悪い、呼吸がしにくいなどの症状があり、その原因がよくわからないというケースでは、歯並び・噛み合わせの異常が背景に潜んでいるかもしれません。
矯正治療によって、発音・呼吸がしやすくなる方が多くいます。
矯正治療のデメリットは?
前述したように、矯正治療には実に多くメリットがありますが、一方で以下のようなデメリットもあります。
装置による違和感・異物感
お口の中はとても敏感なので、何らかの異物が入れば不快症状が現れます。特に複雑なかたちをしたマルチブラケット装置は、装着時の違和感・異物感が大きく感じられます。
薄くて滑らかなマウスピースを使うインビザライン(マウスピース型矯正装置)も、不快症状が少ない矯正法ではありますが、違和感・異物感がゼロではありません。
口内炎ができる
ワイヤー矯正は、装置から飛び出したワイヤーや結紮線(けっさつせん)などが歯茎、頬の内側、舌、唇の内側などを傷付ける場合があり、口内炎に悩まされやすくなります。マウスピース矯正では、そうした症状が現れることはまずありません。
処置に痛みをともなう
歯列矯正は、歯に対してそれなりに強い圧力をかける治療法であるため、処置には痛みをともないます。インビザラインであれば、新しいマウスピースに交換した直後、ワイヤー矯正ではワイヤーに調整を加えてから2~3日は強い痛みが生じます。
ただ、歯が移動して歯茎や顎の骨の炎症反応などが落ち着いてくると痛みも和らぎますのでご安心ください。
歯磨きがしにくい
マルチブラケットや矯正用ワイヤーが固定された状態では、何もない状態と比較して歯磨きの難易度が大きく上昇します。これは、ワイヤー矯正において避けることのできないデメリットです。歯磨きの際に装置を取り外せるマウスピース矯正は、このデメリットがありません。
矯正中であっても普段通りに歯磨きができます。
*ワイヤー矯正とマウスピース矯正の違いについて詳しく知りたい方には、次の記事が参考になります。
食事がしにくにい
歯磨きがしにくいということは、食事もしにくくなることを意味します。極端に硬いものは装置の破損につながりますし、ネバネバとしたものや繊維質のものは、装置に絡みついて取れなくなる場合もあります。
ただし、これはワイヤー矯正に限って言えることで、着脱式のマウスピース矯正で食事に制限はかかりません。
矯正治療のリスクは?
矯正治療には、以下のようなリスクもともないますので注意してください。
歯肉退縮・歯根吸収
矯正治療で歯を動かした結果、歯茎が下がってしまう場合があります。専門的には歯肉退縮(しにくたいしゅく)と呼ばれる現象で、歯茎や顎の骨の状態によっては避けられないケースも少なくありません。
また、歯に対して極端に強い矯正力がかかったり、長期間にわたって不適切な力が加わったりすると、歯の根の先が治療開始時より短くなる歯根吸収を招くことがあります。
歯根吸収は、適切な矯正治療を施した場合でも起こります。
顎関節症
矯正期間中は、歯並びだけでなく噛み合わせも大きく変化します。その過程で、顎の関節に過剰な負担がかかり、顎関節症を発症してしまうケースはそれほど珍しくはありません。しかし、矯正中に顎関節症を発症したとしても、噛み合わせが良くなることで、ほとんどの場合、その症状は改善されます。
もちろん、症状の改善が見られなかったり、日を追うごとに顎の痛みや口の開けにくさが強くなっていったりする場合は、顎関節症の治療を受けるようにしましょう。
矯正治療をしないリスクは?
矯正治療をするリスクをご紹介しましたが、悪い歯並びを放置した場合のリスクもあります。
*矯正治療をせずに悪い歯並びを放置するリスクについて詳しく知りたい方は、次の記事をお読みください。
矯正治療のリスクは、あくまでも生じる可能性のあるものです。
まとめ
今回は、矯正治療のメリットやデメリット、そしてリスクについて解説しました。
矯正治療には、多くのメリットがある一方、デメリットもありますが、総論では試みるだけの価値はあるといえるでしょう。矯正治療についてもっと詳しく知りたい、どんな治療法が自分に合っているのか調べてほしいという方は、いつでもお気軽に東武伊勢崎線・谷塚駅から徒歩1分の場所にあるハーツデンタルクリニック谷塚駅前までご相談ください。当院は、矯正治療に力を入れている歯医者さんです。
ハーツデンタルクリニック西白井駅前の院長。城西歯科大学(現 明海大学)卒業。仕事でうれしい時は思うような治療ができ、患者様に喜ばれ、お礼を言われたとき。
ハーツデンタルクリニック西白井駅前