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多くの学校や職場などでは、年に一回、健康診断が行われているかと思います。身長や体重だけでなく、血圧や尿の状態、それから胸部X線によって、肺や心臓に異常がないかを調べていきます。
ただ、こうした健康診断には、基本的に口腔関連の項目は含まれていません。そこでお勧めしたいのが、歯の定期検診です。数ヵ月に一度、歯科で定期検診を受けることで、口腔内の異常を早期に発見することができるからです。
その際、歯のクリーニングも併せて行ってもらうと、さらに虫歯予防や歯周病予防にも役立ちます。ここではそんな歯のクリニーニングについて、保険適用の有無や処置の種類などを詳しく解説します。
歯のホワイトニングとの違いってなに?
歯のクリーニングと聞くと、ホワイトニング処置を思い浮かべる人がいるかもしれませんが、これらは全く別物です。歯のクリーニングはあくまで歯面の汚れを落とす処置ですので、歯を白くすることを第一の目標に置いているわけではありません。
もちろん、色々な方法を使って歯をクリーニングしていくことで、歯本来の白さを取り戻すことができ、結果的に歯が白くなることはあります。
一方、ホワイトニングというのは、歯を白くすることを第一の目標に置いた歯科処置で、過酸化水素や歯科用レーザーなど、特殊な薬剤や器材を使用しますので、処置自体も大きく異なることを知っておいてください。
歯のクリーニングの種類
歯のクリーニングは、主にPMTCとスケーリングに分けられます。
機械のブラシで歯面を磨くPMTC
PMTCとは、「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略語で、日本語に訳すと「専門家による歯の機械的清掃」と表現できます。 つまり、歯科医師や歯科衛生士がクリーニング専用の器具を使って、歯の掃除を行うことをPMTCと呼んでいるのです。
具体的には、チェアに設置されている電動式のブラシで、歯の表面を綺麗に磨いていきます。このブラシは、市販されている電動ブラシとは比較にならないほど、歯面の汚れが落ちますので、クリーニング効果は非常に高いです。
また、施術するのが歯科医師や歯科衛生士といった歯の専門家ですので、歯の隅々まで綺麗に汚れを落としてくれます。
歯石を除去するスケーリング
スケーリングとは、歯の表面に付着した歯石を落とす歯科処置で、スケーラーという器具を使用します。スケーラーには、手用スケーラーと超音波スケーラーの2種類があり、必要に応じてこの2つを使い分けていきます。例えば、口腔内に露出している歯の部分であれば、手用スケーラーでも超音波スケーラーでも歯石を取ることが可能ですので、この場合はどちらかというと、超音波スケーラーを使った方が効率的といえます。
一方、口腔内に露出していない部分、つまり歯茎の中に埋まっている歯根の部分については、超音波スケーラーは使いにくいです。そのため、歯根に付着した歯石は、手用スケーラーで丁寧に除去していくこととなります。
ちなみに歯石は、歯周病の原因となるだけでなく、歯の着色の原因にもなりますので、クリーニングによって除去することは、病気の予防と審美性の回復という2つの点で有益といえます。
虫歯予防のフッ素を塗布して終了
PMTCとスケーリングが終わったら、最後は虫歯予防のフッ化物塗布です。フッ素が配合された薬剤を歯面に塗ることで、歯を強くし、虫歯になりにくくします。フッ素によって歯質が強化されると、歯垢や歯石も付着しにくくなるため、歯を綺麗な状態に保ちやすくなるというメリットもあります。
歯のクリーニングは保険適用されるのか
ここまで解説してきた歯のクリーニングについては、基本的に保険が適用されます。つまり、3割負担ですみますので、実際に支払う金額は2~3千円とお考えください。
まとめ
歯のクリーニングは、単なる歯のお掃除ではありません。歯垢や歯石というのは、虫歯や歯周病の原因となるだけでなく、着色によって見た目を悪くしたり、口臭の原因となったりしますので、それらを除去することは非常に有意義なオーラルケアといえるのです。
ですから、3~6ヶ月に1回は、歯科医院に行き、定期健診と歯のクリーニングを受けることをお勧めします。
ハーツデンタルクリニック西白井駅前の院長。城西歯科大学(現 明海大学)卒業。仕事でうれしい時は思うような治療ができ、患者様に喜ばれ、お礼を言われたとき。
ハーツデンタルクリニック西白井駅前