【急患対応】お急ぎの方は048-934-9804まで!
歯周病は、歯の周りの細菌が原因で歯ぐきが炎症を起こし、進行すると歯槽骨(歯を支えている骨)が溶かされて、最終的には歯が抜け落ちてしまう病気です。
目次
歯周病治療
日本人の国民病「歯周病」
歯周病の原因
歯の周りの細菌
歯の周りには、歯垢(プラーク)と呼ばれる微生物のかたまりがあり、1mgあたりに約1億個の微生物が活動をしています。歯周病の原因の細菌は、この歯垢の中に潜んでいるのです。
歯石
歯垢が石灰化した歯石も歯周病の原因のひとつで、歯石は歯ブラシだけで取り除くことはできません。気になる方は、私たちにご相談ください。
喫煙
タバコも歯周病を悪化させる要因の一つです。タバコを吸うと血液の循環が悪くなり、歯ぐきの再生能力が弱くなるため歯周病が進行してしまいます。
歯周病は強い自覚症状の出にくい病気で、様子を見ているうちに病気がかなり進行してしまっているケースも少なくない、恐ろしい病気です。
歯周病の段階
歯肉炎と歯周炎の違いについて
歯肉炎と歯周炎の違いについて
歯肉炎と歯周炎は、どちらも歯周病です。同じような名前が並んでいるため、違いがよくわからないかと思いますが、歯肉炎と歯周炎の総称が歯周病と理解しておけば、頭の整理もしやすいです。次に気になるのは、歯肉炎と歯周炎の違いですね。歯周病は、歯肉炎と歯周炎の2つに大きく分けられます。この2つは一般的に混同されがちですが、実際は明確な違いがあります。
歯肉炎とは?
歯肉炎は、歯ぐきに限局した炎症です。主な原因はプラーク(歯垢)の蓄積であり、適切なブラッシングが行われていないことが多いです。歯ぐきが赤く腫れたり、ブラッシング時に出血しやすくなったりするのが特徴です。この段階では、歯ぐきだけに問題があり、骨や歯を支える組織にはダメージが及んでいません。そのため、歯肉炎は比較的簡単に治療することが可能です。適切な口内衛生を保つことで、歯肉炎を改善し、悪化するのを防げます。
歯周炎とは?
一方、歯周炎は歯肉炎が進行して歯を支える骨まで影響が及ぶ状態です。歯肉炎が治療されず、放置されると、炎症はさらに進行し、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間にできる隙間)が深くなります。これにより、感染が拡大し、最終的には歯を支える骨が破壊されることになります。歯周炎は不可逆的な損傷を伴うため、治療がより複雑で困難になります。初期段階では症状が少ないため、定期的な歯科検診が非常に重要です。
ちなみに、歯周炎を重症化すると、動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病などの全身疾患を誘発するリスクが高まります。この点も歯肉炎との大きな違いといえるでしょう。
歯肉炎と歯周炎は、見た目が似ていても発生原因や影響の範囲が異なります。初期の歯肉炎であれば、日常のケアで改善可能ですが、歯周炎は治療が複雑で時間もかかります。定期的な歯科検診と正しい日常のケアで、これらの病気を予防しましょう。
心臓病とも関係のある歯周病
ある医学的調査によると、歯周病を患っている人は そうでない人の1.5~2倍の確率で心臓病にかかりやすいそうです。
そのため、心臓病が死因の主要因の一つとされているアメリカでは、歯周病の予防に力を入れています。歯周病と心臓病、この二つを結びつけるのが、歯周病の原因である歯垢。歯垢が血流中に入りこんで血栓を作りだすことが、心臓病の原因の一つになるのです。これらの血栓は、動脈硬化などの原因にもなります。
糖尿病の原因にもなる歯周病
ある大学の調査によると、歯周病を患っている人は、そうでない人と比較して約2倍、重度の歯周病の人は、約3倍で糖尿病になりやすいことがわかっています。 歯周病が続くと、細菌が血中に入り込み、血糖値を下げるインスリンの働きの邪魔をすることが原因のようです。
もともと、糖尿病のある人が歯周病になると、糖尿病が悪化することは知られていましたが、歯周病は糖尿病を引き起こす危険因子の一つであることが調査によって証明されました。 「たまに歯ぐきから血が出るくらいなら大丈夫でしょ」と見過ごしがちな歯周病ですが、心臓病や、糖尿病の原因にもなる、危険な病気のひとつなのです。
歯も、歯周病も、悪くなる前に治すのが、いちばんの治療。日頃から丁寧にブラッシングしながら、3か月に1度は歯科医院では定期検診を受けることをオススメいたします。
歯周病の原因と予防方法
歯周病の原因
歯周病の発生過程は、プラークの蓄積から始まります。プラークは食べ物の残りかすや細菌の集合体で、これが歯と歯ぐきの境界に留まることで歯肉炎を引き起こします。プラークが定着し続け、硬化すると歯石となり、さらに多くの細菌が付着・繁殖する基盤を提供します。
歯石はその表面が粗く、更に多くのプラークが付着しやすい性質を持っています。この状態でプラークと歯石が歯ぐきに触れる部分では、歯周病菌が栄養源を得て活発に増殖し、これが歯ぐきの炎症を慢性的に引き起こします。炎症が進むと、歯ぐきが腫れ上がり、やがて歯周ポケットが形成されます。歯周ポケットは歯と歯ぐきの間にできる隙間で、ここが深くなるほど歯周病の進行が進み、治療が困難になります。
歯周病の予防方法
歯周病の予防は、日々の口内衛生の維持にあります。以下の方法を実践することが推奨されます。
適切なブラッシング:一日に少なくとも二回、朝晩のブラッシングを丁寧に行い、プラークの蓄積を最小限に抑えることが重要です。特に、歯間や歯ぐきのラインに注意深くアプローチする必要があります。
フロッシングと歯間ブラシの利用:歯ブラシだけでは届きにくい歯間部分は、フロスや歯間ブラシを使って細菌の蓄積を防ぎます。
定期的な歯科検診:専門家による定期検診とプロフェッショナルクリーニングは、プラークや歯石の除去を徹底し、歯周病のリスクを減少させます。
バランスの取れた食生活:栄養バランスの良い食事を心がけることで、全体の免疫力を高め、口内環境を健康に保ちます。
禁煙:喫煙は歯周病のリスクを高めることが知られています。禁煙は口内だけでなく全身の健康にも寄与します。これらの予防策を日常生活に取り入れることで、歯周病のリスクを著しく減らし、健康な歯と歯ぐきを維持することができます。親御さんやお子さんにも、これらの習慣を早いうちから教え、実践していただくことが大切です。
歯周病の症状と早期発見のポイント
歯周病の症状
歯周病の初期症状は、多くの場合、歯ぐきに異常が現れます。以下のような症状が見られたら、歯周病を疑うべきです。
歯肉の腫れと発赤:歯ぐきが普段よりも赤くなり、触ると腫れている感じがします。
出血:歯磨き時や食事中に歯ぐきから出血しやすくなります。特に、軽い刺激で出血する場合は注意が必要です。
歯肉の後退:歯ぐきが下がり、歯が長く見えるようになる場合があります。これにより、歯の根が露出し、敏感になることも。
悪臭:口内の不快な臭いが普段より強くなることがあります。これは歯周ポケット内の細菌活動によるものです。
歯の動揺:進行すると、歯がグラグラと動くようになります。これは、歯を支える骨が減少している証拠です。
歯周病の早期発見のポイント
歯周病は初期段階で発見すれば、進行を阻止しやすくなります。以下のポイントを心掛けることで、早期発見につながります。
定期的な歯科検診:半年に一度は歯科検診を受けることをお勧めします。歯科医師が歯肉の状態を詳しくチェックし、初期の異変を見逃さないようにします。
セルフチェックの習慣化:毎日の歯磨きの際に、歯ぐきの色や腫れ、出血の有無を確認することが大切です。
正しい歯磨き方法の学習:歯科医師や歯科衛生士に、正しい歯磨きの方法を指導してもらうことで、歯周病の予防と早期発見に役立ちます。
リスクファクターの管理:喫煙や糖尿病など、歯周病のリスクを高める要因に対しては、特に注意し、適切な管理を行うことが重要です。
歯周病の治療方法と費用
歯周病の治療はその進行度によって異なり、一般的には「歯周基本治療」と「歯周外科治療」の2つに分けられます。ここでは、これらの治療方法とそれぞれの費用について詳しく解説します。
歯周基本治療
歯周病の初期〜中期に行われる治療で、主にプラークコントロールと歯石除去が中心です。この段階での治療は、歯肉の炎症を抑え、歯周ポケットの深さを減少させることを目的としています。
スケーリング・ルートプレーニング:専用の器具を使用して歯石とプラークを徹底的に除去します。これにより、歯周ポケット内の細菌負荷が減少し、歯肉の健康が回復します。
ポリッシング:歯の表面を滑らかにすることで、新たなプラークの付着を防ぎます。
費用の目安:歯周基本治療の費用は一般的に1回あたり3,000円程度ですが、症状の重さや治療の回数によって変動します。治療は数回に分けて行われることが多いです。
歯周外科治療
歯周基本治療だけでは改善が見られない進行した歯周病の場合、歯周外科治療が適用されます。この治療では、より深刻な病変に対処するため、外科的な手法が用いられます。
フラップ手術:歯周ポケットの深さを減らすために、歯肉を一時的に持ち上げ、根の深部にある歯石を除去し、感染した組織を清掃します。その後、歯肉を元の位置に戻して縫合します。
骨再生手術:骨の破壊が進んでいる場合には、人工骨や骨移植を用いて失われた骨を再生させる試みが行われます。
費用の目安:歯周外科治療はその内容と複雑さによって大きく異なりますが、一般的には1箇所あたり10,000円から100,000円程度となることが多いです。また、骨再生手術などのより専門的な処置が必要な場合は、さらに高額になることがあります。
歯周病と口臭の関係
歯周病による口臭の発生原因
歯周病の最大の原因は、プラークと歯石の蓄積によるものです。プラークは細菌の膜であり、これが歯や歯ぐきに付着し、十分に除去されないと硬化して歯石となります。歯石はさらにプラークが付着しやすくなるため、細菌が繁殖しやすい環境が作り出されます。これらの細菌は歯ぐきの炎症を引き起こし、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯ぐきの間の隙間を形成します。
歯周ポケット内では、細菌がプラークを分解する過程で、硫黄を含む揮発性硫黄化合物(VSC)を生成します。このVSCが口臭の主要な原因となり、特に不快な臭いを放つことがあります。
メチルメルカプタンに要注意
揮発性硫黄化合物(VSC)の中で、特にメチルメルカプタンは口臭の主な原因とされています。これは、歯周病を引き起こす細菌がタンパク質を分解する過程で発生するガスです。メチルメルカプタンは腐敗したキャベツや腐った卵のような非常に不快な臭いを放ち、口内環境の悪化を示唆しています。適切な口内ケアで、このような口臭の発生を抑えることが可能です。歯周病による口臭は、適切な口内ケアと定期的な歯科診療によって大きく改善することが可能です。
患者さん自身が日々のケアを意識し、親御さんやお子さんにも口内環境の重要性を教えることが、健康な生活を送るための第一歩となります。
歯周病の予防に効果的な食事と生活習慣
歯周病は適切な予防策を講じることで大きくリスクを減らすことが可能です。食事と生活習慣の改善は、歯周病予防の基本であり、健康な口内環境を維持するために重要な役割を果たします。以下に、歯周病予防に効果的な食事と生活習慣について解説します。
食事での対策
バランスの良い食事:ビタミンC、ビタミンD、カルシウム、リンなど、歯と歯ぐきの健康を支える栄養素をバランス良く摂取することが大切です。ビタミンCは歯ぐきの健康を維持するのに役立ち、ビタミンDとカルシウムは骨の健康をサポートします。
抗炎症食品の摂取:オメガ3脂肪酸が豊富な魚類や、抗酸化物質が多いフルーツや野菜を積極的に取り入れることで、体内の炎症を抑えることができます。
生活習慣での対策
定期的な歯科検診:定期的に歯科医院を訪れ、プロフェッショナルなクリーニングを受けることで、プラークや歯石の除去を徹底し、歯周病の予防につながります。
喫煙の禁止:喫煙は歯周病のリスクを大幅に増加させる要因の一つです。禁煙は口内だけでなく全身の健康にも良い影響を与えます。
適切な口内衛生:毎日の歯磨きはもちろん、歯間ブラシやデンタルフロスを用いて、歯と歯ぐきの間や歯ぐきのラインの清掃を忘れずに行うことが重要です。
ストレス管理:過度のストレスは体の免疫機能を低下させ、歯周病の発症や進行に影響を及ぼすことがあります。適度な運動や趣味の時間を持つことで、ストレスを効果的に管理しましょう。
あなたの「歯」のむし歯・歯周病危険度をチェック!
「8020運動」ってご存知ですか?
8020運動は、『80歳になったとき、自分の歯を20本以上残そう!』という運動です。 ある調査によると、”80歳になったときに自分の歯を20本残せるか”との質問に、約75%の人が”自信がない”と回答したそうです。歯を失う原因は、むし歯だけではありません。
しっかり歯磨きをしていた人でも、日本人は、50歳を過ぎたあたりから急に歯を失い始める人が多いようです。 先ほどお話した「歯周病」がその原因のひとつ。 大切な歯を守り続けるためにも、「歯」の危険度チェックをしてください。
- お酒を飲んだ日は、そのまま寝てしまうことがある
- 甘いものが好きで、ジュースやアメなどいつも何か口にしていることが多い
- 歯ブラシの毛がすぐに開いてしまう
- 歯の間に物がよくはさまる
- 歯ぐきが腫れたり血が出ることがある
- 歯ぐきの色がピンクではなく、赤や赤紫になっている
- 歯がのびてきた
- 固いものが噛めない
- 指で歯を押したり、強くかみ締めると歯がぐらつく
- 指で歯茎を押すとブヨブヨしている
- 口がネバネバする
- 歯が浮いた感じがする
当てはまる項目が多いほど、歯周病になっている危険性が高いと言えます。 歯周病は、むし歯のような強烈な痛みがないため、気づいた時にはだいぶ進行してしまっているものです。 一つか、二つでも当てはまるものがありましたら、ライフスタイルの改善にも気をつけながら、一度、検診にいらっしゃってください。